Wheels Hand Build for 32mm Tires

手組みホイール (32mm用)

経　緯：　目指すは「太くて軽いホイール」 :

今まで義父(77歳)のバイクは、シクロクロス用のフレームにホイールはロード用で 32mm のタイヤを履かせていた。

ロード用ホイールに 32mm のタイヤではリム幅が狭すぎるのが以前から気になっていたのだが、一般に売っている
「完組ホイール」でリム幅が広いものとなると、街乗りのクロスバイク用で重いモノしか手に入らないので、
仕方なくロード用を使っていた。

サイクルメンテナンス社の DVD[ホイール組みの達人] はずっと以前から持っていて、何回視ても飽きないが
宝の持ち腐れ状態とも言えるので、今回一念発起して自分でホイールを組む事にした。

基本的にDVDの通りに作業を進めれば、殆ど問題なく出来上がった。
(DVDの手順にない事をすると、NGになってしまい結局DVDの手順に戻った)


使用工具類：
今回新規購入したのは、スポークホルダだけ。あとは全て所有済み。




	

		
種類
		
メーカー
		
商品名･型式
		
備考
	
	

		
スポークホルダ
		
PARKTOOL
		
BSH-4
		
スポークがエアロ(扁平/Blade)の場合は必須
	
	

		
スポークレンチ
		
PARKTOOL
		
SW-40C (Black)
		

	
	

		
振取台
		
PARKTOOL
		
TS-2.2
		
普段はロードとママチャリのメンテナンスの振れ取りにしか

		使ってなかったが、やっと「まともな」日の目を見る事に。
		
	
	

		
スポークテンションメーター
		
PARKTOOL
		
TM-1
		
組み込み途中と、最後の確認に必要
	
	

		
センターゲージ
		
PARKTOOL
		
WAG-4
		
組み込み途中と、最後の確認に必要
	
	

		
スポークネジ切り器
		
HOZAN
		
C-700
		
まさか使う事になるとは思わなかった、あってよかった。
	
	

		
マイナス ドライバ
		

		

		
少し細い 4.5mm (大中小の中) が丁度よかった
	
	

		
パーツ皿など
		

		

		

	
	

		
ケミカル
		

		

		
デュラグリスと普通のチェーン油だけを使った
	


各パーツ選定：
リム：      32mmのタイヤに適合する内幅が17mm以上で、軽いものということでサンエクシードのシャイニーリム。
ハブ：      とにかく軽いものということで、TNI のエボリューションハブ。
スポーク：  軽くて空気抵抗が少ない、これだけは贅沢にということで、DT SWISS の AEROLITE。
タイヤ：    軽くてMade in JAPAN をということで、Panaracer リブモPT。
リムテープ：特にこだわらない(近所のショップで手に入るもの)。
チューブ：  特にこだわらない(近所のショップで手に入るもの)。
クイック：  余っているものを流用。


	

		
品目
		
メーカー
		
商品名･型式
		
公称重量(片輪)
TheoreticalWeight
		
実測重量(片輪)
ActualWeight
		
数量
		
Photo
		
	
	

		
 リム
		
SUNXCD
		
Shiny RIM SXR702
		
 490g
		
 494g
		
 2
		

	
	

		
 スポーク
		
DT Swiss
		
AEROLITE
		
 139g
		
 153g
		
 64
		

	
	

		
ニップル
		
DT Swiss
		
DT STANDARD ALU
(スポークに付属 アルミ製)
		
10g
		
 10g
		
 64
		

	
	

		
フロントハブ
		
TNI
		
Evolution HUB Front 32H
		
 85g
		
 78g
		
 1
		

	
	

		
リアハブ
		
TNI
		
Evolution HUB Rear (forSHIMANO) 32H
		
 242g
		
 243g
		
 1
		

	
	

		

		

		
Front TotalWeight
		
724g
		
735g
		

		
		
	
	

		

		

		
Rear TotalWeight
		
881g
		
900g
		

		

		
	


	

		
品目
		
メーカー
		
商品名･型式
		
公開重量(片輪)
TheoreticalWeight
		
実測重量(片輪)
ActualWeight
		
数量
		
Photo
		
	

		
タイヤ
		
Panaracer
		
RiBMo PT
		
 410g
		
 431g
		
 2
		

	
	

		
チューブ
		
 SCHWALBE
		
SV17 (700x28-45C 仏式40mm)
		
 150g
		
 159g
		
 2
		

	
	

		
リムテープ
		
SCHWALBE
		
18-622
		

		
29g
		
2
		

	



スポーク長計算：
今回はFrontをラジアル組(Radial)に、RearのLをラジアル組(Radial)、Rを6本組(3 Cross)とする。

ネットの情報ではリムの内径が判然とせずスポーク長の計算ができなかったので、まずリムとハブを
先行入手して必要部分を採寸計測。






DVD[ホイール組みの達人]のパッケージの裏面通りに計算。


	

		

		
Front
 ラジアル組 
		
Rear-L
 ラジアル組 
		
Rear-R
6本組
	
	

		
リム半径 : a  
		
 301   mm 
		
 301   mm 
		
 301   mm 
	
	

		
スポーク穴ピッチ半径 : b  
		
 15   mm 
		
 20.25mm 
		
 24.5 mm 
	
	

		
ハブ中心から     
フランジまでの距離 : c  
		
 32.5 mm 
		
 36.6 mm 
		
 17.4 mm 
	

	

		
cosα  
		
1      
		
1      
		
0.3827 
	

	
	

		
計算結果  
		
 287   mm 
		
 282   mm 
		
 292   mm 

	

※ 後述するが、DT AEROLITE スポークは上記計算結果より 1mm ～ 2mm 短く注文すべきだった。


スポーク 発注納品：
スポーク長を約2mm刻みでバラ売りしてくれる タキザワ さんのWebで発注。今回のハブはBlackなので問題ないが、
AEROLITEはBlackしか選択肢がない。

翌日タキザワ さんのお姉さんから丁寧な電話があり、「ブラックのニップルが在庫切れなのでシルバーでいいですか？」
と相談された。こだわらないし、リムが綺麗なシルバーでむしろ丁度いいので快諾。
その翌日に届いた。


ニップルは67個同梱されてきた。予備が3つあるのはありがたい。


組み込み：
DVD[ホイール組みの達人]の手順通りに作業を進めれば、全く問題は起こらない筈だったが。。。


問題発生：
スポークテンションを徐々に上げていき、「振れ取り」の段階で一つ問題が発生した。

スポーク 64本 中の 3本 がスレッド(ねじ山)を使い切ったらしく、それ以上はニップルが回らなくなった。
無理に締めようとすると、スポークホルダよりニップル側が「よじれ」そうになる。

リム側からニップルを観察すると、全てのスポークがニップルから微妙に飛び出し始めてる。
スポークテンションメーターで全体を測ると、まだ少しテンションが足りない。
(スポークテンションは「これ」という絶対値がないので困るが。今回は最大110kgfと決めていた。)

スポーク長の計算は間違いないので、どうも DT AEROLITE スポークは テンションを上げると微妙に伸びる
性質があるのではないだろうか。


解決：
幸いにも スポークネジ切り器 を持っていたので、回らなくなったスポークを一旦外して、スレッド部の長さを
少し延長して難を逃れた。計算結果より 1mm ～ 2mm 短く注文すべきだった。


それ以外は特に問題は起こらず、DVD[ホイール組みの達人]の性能の高さに改めて感服した。


完成：



フレームはチタン製のシクロ仕様。
漕ぎ出しが軽やかで、巡航中は柔らかく滑らかで乗りやすい。ちょっとした逸品にグレードアップした。