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GNUのsh-fileutils付属のinstallコマンドのマニュアル。

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INSTALL(1)                                             INSTALL(1)

名前
       install - ファイルをコピーし、その属性を設定する

書式
       install [オプション] [-s] [--strip] source dest
       install [オプション] [-s] [--strip] source... directory
       install [オプション] [-d,--directory] directory...

       オプション (簡略形式):
       [-bcpvD]  [-g  group] [-m mode] [-o owner] [-S SUFFIX] [-V
       {numbered,existing,simple}]        [--preserve-timestamps]
       [--verbose] [--help] [--version] [--]

説明
       install はファイルをコピーし、そのアクセス権を設定する。可
       能ならば所有者とグループを設定する。

       1 番目の呼び出し形式では、ファイル source が目的のファイル
       dest   に コ ピーされる。 2 番目の形式では、複数のファイル
       source のそれぞれが指定ディレクトリ directory にコピーされ
       る。 最 後 の形式では、個々のディレクトリ directory が (親
       ディレクトリがない場合はそれも含めて) 作成される。

       install は cp と似ているが、コピー先ファイルの属性を制御で
       き る。 プ ロ グラムを指定ディレクトリにコピーするために、
       Makefile 内でよく用いられる。ファイルをそれ自身へコピー す
       ることはできない。

オプション
       -c     無視される。古い Uxix 版の install との互換性のため
              にある。

       -d, --directory
              指定されたディレクトリを作成する。親ディレクトリ が
              存 在 し ない場合は、それも作成する。所有者・グルー
              プ・モードを、コマンドラインで指定された設定、ま た
              は デフォルトの設定にする。このとき作成した親ディレ
              クトリにも同じ属性を与える。(この点が、作成したディ
              レ ク ト リ にデフォルトの属性を与える SunOS 4.x の
              install とは異なっている。)

       -g group, --group=group
              インストールされたファイルやディレクトリの 所 有 グ
              ループを group に設定する。デフォルトではプロセスが
              属する現在のグループになる。 group はグループ名でも
              数字のグループ ID でもよい。

       -m mode, --mode=mode
              イ ンストールされたファイルやディレクトリのアクセス
              権を mode に設定する。モードは 0 を基点とし、8   進
              数、 chmod におけるシンボルモードのどちらでもよい。
              デフォルトのモードは 0755 で、所有者の読み取り・ 書
              き 込み・実行、グループとその他の人の読み取り・実行
              が可能である。

       -o owner, --owner=owner
              install が適正な権利を持っている (root で実行 さ れ
              た)  場合、インストールされたファイルやディレクトリ
              の所有者を owner に設定する。デフォルトは `root' で
              ある。 owner はユーザー名でも数字のユーザー ID でも
              よい。

       -p, --preserve-timestamps
              インストールされたファイルの最終アクセス時刻と最 終
              修 正時刻をそれぞれコピー元ファイルと合わせる。この
              オプションなしでファイルがインストールされると、 最
              終 アクセス時刻と最終修正時刻は共にインストール時刻
              に合わせられる。このオプションは、インストールさ れ
              た ファイルの最終修正時刻を、「いつインストールされ
              たか」ではなく「いつ作られたか」を記憶させるため に
              使いたい場合に便利である。

       -s, --strip
              イ ンストールされたバイナリ実行ファイルからシンボル
              テーブルを strip する。

       -D     dest にコピーするために必要な全ディレクトリ構造を (
              それがない場合は) 前もって作成する。それから source
              を dest にコピーする。 1 番目の形式の場合に便利であ
              る。

       -v, --verbose
              イ ン ス トールする前にそれぞれのファイル名を出力す
              る。

GNU バックアップオプション
       GNU 版のプログラム cp, mv, ln, install, patch は、上書き・
       修正・削除といった場合に、指示すればファイルのバックアップ
       を作成する。バックアップファイルを必要とする場合は -b オプ
       ションで指定する。どのような名前にするかは -V オプションで
       指定する。バックアップファイルの名前を、ファイル名に拡張子
       を追加する形で与えるようにしたい場合、この拡張子を -S オプ
       ションで指示する。

       -b, --backup
              上書きもしくは削除の必要がある場合にはファイル   の
              バックアップを作成する。

       -S SUFFIX, --suffix=SUFFIX
              SUFFIX をバックアップファイルそれぞれに付け加える。
              このオプションが指定されていない場合、環境変数 SIM-
              PLE_BACKUP_SUFFIX   に 設定されている値が使われる。
              SIMPLE_BACKUP_SUFFIX が設定されていない場合のデフォ
              ルトは `~' である。

       -V METHOD, --version-control=METHOD
              バッ ク アッ プファイルの命名方法を指定する。引き数
              METHOD として、`numbered' (または  `t')、`existing'
              (または `nil')、 `never' (または `simple') を指定で
              きる。このオプションが指定されていない場合、環境 変
              数 VERSION_CONTROL の値が使われる。 VERSION_CONTROL
              が設定されていない場合のデフォルトは `existing'  で
              ある。

              こ のオプションは Emacs 変数の `version-control' に
              対応している。有効な METHOD は以下の通り。 (他と 重
              複しない短縮形が使える):

              t, numbered
                     常 に 番号の拡張子を持つバックアップが作られ
                     る。

              nil, existing
                     番号の拡張子を持つバックアップがすでにある場
                     合には番号の拡張子を持つバックアップを、そう
                     でない場合には単純なバックアップを作成する。

              never, simple
                     常に単純なバックアップが作られる。

GNU 標準オプション
       --help  標準出力に使用方法のメッセージを出力して正常終了す
              る。

       --version
              標準出力にバージョン情報を出力して正常終了する。

       --     オプションリストを終了する。

環境変数
       変数 LANG, LC_ALL, LC_CTYPE, LC_MESSAGES が通常の意味を 持
       つ。 GNU 版では、変数 SIMPLE_BACKUP_SUFFIX と VERSION_CON-
       TROL がバックアップファイルの命名法を上で説明した方法で 管
       理する。

準拠
       BSD 4.2 (-c, -m, -o, -g, -s オプションがある)。

注意
       このページでは fileutils-4.0 パッケージでの install コマン
       ドについて説明している; その他のバージョンでは少し違いがあ
       る  か  も  し  れ  な い。 修 正 や 追 加 は  aeb@cwi.nl,
       aw@mail1.bet1.puv.fi, ragnar@macula.net 宛にメイルしてくだ
       さ い。プログラムのバグについては bug-fileutils@gnu.org へ
       報告してください。

GNU fileutils 4.0        17 November 1998              INSTALL(1)