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GNUのtextutils付属のprコマンドのマニュアル。

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PR(1)                                                       PR(1)

名前
       pr - 印刷用にファイルのページづけ・段組みを行う

書式
       pr   [+FIRST_PAGE[:LAST_PAGE]]   [-COLUMN]  [-acdfmrtvFJT]
       [-e[IN-TABCHAR[IN-TABWIDTH]]          [-h          HEADER]
       [-i[OUT-TABCHAR[OUT-TABWIDTH]]  [-l  PAGE_LENGTH] [-n[NUM-
       BER-SEPARATOR[DIGITS]]  [-o  MARGIN]  [-s[SEP-CHAR]]   [-w
       PAGE_WIDTH]    [-N   LINE_NUMBER]   [-S[SEP-STRING]]   [-W
       PAGE_WIDTH]    [--across]    [--columns=COLUMN]    [--dou-
       ble--space]       [--expand-tabs[=IN-TABCHAR[IN-TABWIDTH]]
       [--form-feed]    [--header    HEADER]    [--indent=MARGIN]
       [--length   PAGE_LENGTH]  [--merge]  [--number-lines[=NUM-
       BER-SEPARATOR[DIGITS]]    [--no-file-warnings]     [--out-
       put-tabs[=OUT-TABCHAR[OUT-TABWIDTH]]       [--omit-header]
       [--pages=FIRST_PAGE[:LAST_PAGE]] [--page_width=PAGE_WIDTH]
       [--separator[=SEP-CHAR]]       [--sep-string[=SEP-STRING]]
       [--show-control-chars]                [--show-nonprinting]
       [--width=PAGE_WIDTH] [FILE...]

       pr [--help] [--version]

説明
       pr  は FILE の内容にページを付けて標準出力に書き出す。オプ
       ションで指定すれば段組みして出力することもできる。 FILE が
       一つも与えられないと標準入力から読み込む。また FILE が `-'
       だった場合には、そのファイルには標準入力が用いられる。

       デフォルトでは、それぞれのページに 5 行のヘッダ が つ く。
       ヘッ ダは 2 行の空行、日付・ファイル名・ページ番号の行、 2
       行の空行からなる。各ページの末尾には 5 行の空行か ら な る
       フッタも出力される。

       デ フォルトでは PAGE_LENGTH は 66 行で、ヘッダのテキスト行
       は PAGE_WIDTH 桁 (デフォルトは 72 桁) を幅いっぱいに用い、
       `yy-mm-dd HH:MM String Page nnnn' という形式で出力される。
       ここで String はまん中におかれる文字列である。

       入力にフォームフィードがあると、そこで出力は改頁さ れ る。
       フォームフィードが続くと空のページができる。

       段は、おのおの等しい幅を持ち、デフォルトではスペースで区切
       られる。 -J オプションが指定され な い 限 り、 行 は 常 に
       PAGE_WIDTH  で切り捨てられる。一段の出力では、行の切り捨て
       はデフォルトでは行われない (切り捨てを行うには -W オプショ
       ンを使う)。

オプション
       +FIRST_PAGE[:LAST_PAGE]

       --pages=FIRST_PAGE[:LAST_PAGE]
              FIRST_PAGE   か ら  LAST_PAGE   ま で を 出力する。
              LAST_PAGE を省略するとファイル末尾までを出力す る。
              ス キップするページ数を評価するとき、入力ファイルに
              あるフォームフィードは改ペー ジ と み な さ れ る。
              +FIRST_PAGE  があってもなくても、出力のページ番号と
              行番号は同じで、入力の最初のページからカウントが 開
              始される (出力ページの最初からではない)。しかしペー
              ジ番号の振り方は -N によって変更することもできる。

       -COLUMN

       --columns=COLUMN
              FILE それぞれが COLUMN 段の出力になる (デフォルトは
              1)。 段の幅は PAGE_WIDTH から自動的に計算され、それ
              ぞれのページにおける各段の行数は調整される。段に 入
              りきらない行は切り捨てられる。 --columns は -m と同
              時には指定できない。

       -a, --across
              それぞれの FILE で、段組みの行の進行方向を縦でな く
              横にする。 COLUMN は 2 以上でなければならない。段に
              収まらない行の余計な分は切り捨てられる。

       -c, --show-control-chars

       -d, --double-space
              行間に空行を挿入する (ダブルスペース表示)。

       -e[IN-TABCHAR[IN-TABWIDTH]]

       --expand-tabs[=IN-TABCHAR[IN-TABWIDTH]],
              入力のタブをスペースに展開する。 IN-TABCHAR は入 力
              のタブ文字を指定する (省略可: デフォルトは )。
              IN-TABWIDTH はタブの幅を指定する (省略可: デフォ ル
              トは 8)。

       -f, -F, --form-feed
              改 ペー ジに複数の改行ではなくフォームフィード (^L)
              を使用し、ヘッダは 3 行形式にする (最初の空行二つと
              フッ タは省略される)。 1 ページあたり 66 行というデ
              フォルトの設定は変更されないが、 1 ページあたりのテ
              キ ス ト 行はデフォルトの 56 行から 63 行に変更され
              る。

       -h HEADER, --header=HEADER
              ヘッダーに表示される FILE の名前を文字列 HEADER  に
              置 き 換える。 `yy-mm-dd HH:MM HEADER Page nnnn' が
              PAGE_WIDTH より長くなると、左側で行の切り捨て  (`*'
              マー クされる) が行われる。`-h ""' とするとヘッダ行
              は空になる。

       -i[OUT-TABCHAR[OUT-TABWIDTH]]

       --output-tabs[=OUT-TABCHAR[OUT-TABWIDTH]]
              出力のスペースをタブに圧縮する。 OUT-TABCHAR は出力
              のタブ文字を指定する (省略可: デフォルトは )。
              OUT-TABWIDTH はタブの幅を指定する (省略可: デフォル
              トは 8)。

       -J, --join-lines
              行 の内容すべてをマージする。段組みオプション -COL-
              UMN,  `-a -COLUMN', -m とともに指定すると、 -W   や
              -w の行切り捨てを無効にする。段の揃えは行わない。段
              の区切り文字は  に変更される。ただし -S による
              上書きは可能である。

       -l PAGE_LENGTH, --length=PAGE_LENGTH
              ( ヘッダとフッタを含めた) ページ長を PAGE_LENGTH 行
              に設定する。デフォルトは 66 行。 PAGE_LENGTH が  10
              行以下の場合 (および -F も指定された場合は 3 行以下
              の場合) は、 page-length が 10 以下の場合には、  -T
              オ プションが指定されたかのように、ヘッダとフッタが
              省略され、入力ファイルのフォームフィードは無視さ れ
              る。

       -m, --merge
              全 てのファイルを並べて出力する。一ファイルが一段と
              なる。行の長さが段に収まらない場合、はみ出た分は 切
              り 捨てられる。 FILE に空のページが (フォームフィー
              ドによって) 存在すると、空の段が出力される。ただ し
              SEPARATOR によるマークはされる。(しかし全ての段が空
              となるページでは、区切り文字も行番号も表示 さ れ な
              い。) デフォルトのヘッダは `yy-mm-dd HH:MM 
              Page nnnn' となるが、 -h HEADER を同時に指 定 す れ
              ば、 ま ん 中 の 部 分 を 記 述 す るようにできる。
              -S[SEP-CHAR] も同時に指定できる。

       -n[NUMBER-SEPARATOR[DIGITS]]

       --number-lines[=NUMBER-SEPARATOR[DIGITS]]
              各段の前に行番号をふる。複数ファイルの並列表示 (-m)
              の 場 合 は、行の先頭だけに番号をふる。行番号の開始
              は、デフォルトでは入力ファイルの最初の行である ( 印
              刷された最初の行ではない。 -N と -PAGES を見よ)。

              NUMBER-SEPARATOR は行番号とテキストの間に入る文字を
              指定する。デフォルトはスペース。桁数が変わらない 場
              合は  に圧縮される。 DIGITS は行番号の桁数を指
              定する (省略可: デフォルトは 5)。

       -o MARGIN, --indent=MARGIN
              各行を MARGINP 文字分のスペースでインデントする (デ
              フォルトは 0)。つまり左マージンを設定する。総ページ
              幅は MARGIN + PAGE_WIDTH になる。行番号つきの段組み
              出力では溢れることがあるかもしれない。

       -r, --no-file-warnings
              コ マンドラインで与えられた FILE がオープンできない
              場合でも、警告メッセージを表示しない。 (しかし ファ
              イルのオープンに失敗した場合に 0 以外の終了ステータ
              スを返す動作は変らない。)

       -s[SEP-CHAR], --separator[=SEP-CHAR]
              段組のセパレータを SEP-CHAR 文字にす る。  SEP-CHAR
              の デフォルトは、 -s と同時に -w を指定した場合は空
              文字列、それ以外の場合は 。 -w と組み合わせ た
              場 合には、段の行切り捨てが行われないという副作用が
              ある。

       -S[SEP-STRING], --sep-string[=SEP-STRING]
              段組みのセパレータを SEP-STRING にする (デフォル ト
              は空文字列)。

       -t, --omit-header
              各 ペー ジ のヘッダ (とフッタ) を印字しない。また改
              ページ処理も行わない (ページ末に 空 行 や フォー ム
              フィードを入れない)。ページ構造は生成されないが、入
              力ファイルのフォームフィードは残る (つまりあらか じ
              め 定義されたページ区切りは変更されない)。 -t や -T
              は他のオプションと組み合わせると便利である。例え ば
              `-t -e4' は入力の  を 4 つのスペースに変換する
              以外は何も変更しない。-t は -h を無効にする。

       -v, --show-nonprinting
              印字できない文字を、バックスラッシュ表記の 8 進数で
              出力する。

       -w PAGE_WIDTH, --width=PAGE_WIDTH
              複 数段の出力に限り、ページは場を PAGE_WIDTH 文字に
              設定し (デフォルトは 72)、行の余分を切り捨てる。

       -N LINE_NUMBER, --first-line-number=LINE_NUMBER
              印刷された最初のページの最初の行を LINE_NUMBER 行と
              し、そこから行カウントを開始する。

       -S [SEP-STRING], --sep-string[=SEP-STRING]
              出力の段組みの区切りを文字列 SEP-STRING にする。

       -T      ヘッ ダ  (とフッタ) を出力しない。さらに入力にある
              フォームフィードをすべて無効にする。

       -W PAGE_WIDTH, --page_width=PAGE_WIDTH
              段組みが 1 段の場合でも複数の場合でも、ページの幅を
              PAGE_WIDTH 文字にして (デフォルトは 72)、行の余分を
              切り捨てる。 -W の指定も段組みのオプションも指定 さ
              れ なければ、行の余分の切り捨ては行われない (ヘッダ
              は例外で、常に切り捨てが行われる)。

       --help 標準出力に使用方法のメッセージを出力して正常終了 す
              る。

       --version
              標準出力にバージョン情報を出力して正常終了する。

POSIX 向けの注意
       大 文字 1 文字のオプションは小文字のオプションより優先され
       る。しかし後の方に再定義するほうが POSIX には準拠 し て い
       る。また、 1 文字のオプションへの引数は、 POSIX の規定では
       オプションの文字と分離できない (例えば `-s a' は `-sa'  と
       書かなければならない)。

注意
       プ ログラムのバグについては bug-textutils@gnu.org に報告し
       てください。
       man ページは Ragnar Hojland  Espinosa  
       が作成しました。

GNU textutils 2.0         15 August 1999                    PR(1)