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GNUのtextutils付属のptxコマンドのマニュアル。

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PTX(1)                                                     PTX(1)

名前
       ptx - 整列済み索引を作成する

書式
       ptx [OPTION...] [FILE...]

       ptx [-G] [--traditional] [OPTION...] [IN-FILE [OUT-FILE]]

   Options:
       [-frAORT]  [-b  FILE]  [-g NUMBER] [-i FILE] [-o FILE] [-w
       NUMBER] [-F STRING] [-M STRING] [-S  REGEXP]  [-W  REGEXP]
       [--auto-reference]   [--break-file=FILE]   [--flac-trunca-
       tion=STRING]  [--format={nroff,tex}]   [--gap-size=NUMBER]
       [--ignore-case] [--ignore-file=FILE] [--macro-name=STRING]
       [--only-file=FILE]   [--references]    [--right-side-refs]
       [--sentence-regexp=REGEXP]          [--word-regexp=REGEXP]
       [FILE...]

       ptx [-C] [--copyright]  [--help] [--version]

説明
       GNU 拡張された ptx (デフォルト) は、与えられた FILE それぞ
       れ の 整 列 済み索引 (permutated index) を標準出力に書く。
       FILE が一つも与えられないと標準入力から読み込む。また FILE
       が  `-' だった場合には、そのファイルには標準入力が用いられ
       る。結果は結合されるが、各 FILE はそれぞれ独自のコンテクス
       トを持ち、自動参照を使うときには別々に参照される。

       [訳注: 参照 (reference) とは、キーワードの現れるファイル名
       と行数の表示。]

       --traditional モードを使うと、 ptx は入力を IN-FILE から読
       み、 OUT-FILE に書く。後者が省略されると標準出力に書く。

       デフォルトの出力フォーマットは、キーワードをセンターに、そ
       してコンテクストがあれば左または右に書 く。  --traditional
       モードでは --format-nroff が用いられる。

オプション
       -b FILE, --break-file=FILE
              単 語に含むことのできない文字を FILE から取得する (
              このファイルは break file と呼ばれる)。デフォルトの
              モー ドでは、 FILE にある全ての文字が (改行文字も含
              めて) 考慮される。過去互換モードでは、空白・タ ブ・
              改行の各文字は、常に FILE からは捨てられる。

       -f, --ignore-case
              文字列をソートするとき英大文字小文字を無視する。

       -g NUMBER, --gap-size=NUMBER
              フィー ルド間の空白の最低数を NUMBER に設定する (デ
              フォルトは 3)。

       -i FILE, --ignore-file=FILE
              無視するキーワードのリストを FILE から取得する ( こ
              の ファ イルは ignore file と呼ばれる。デフォルトは
              /usr/local/lib/eign)。各行には単語を一つだけ指定 す
              る。  ignore file にある単語は only file にある単語
              を上書きする。

       -o FILE, --only-file=FILE
              キーワードのリストを FILE から取得する (このファ イ
              ル は only file と呼ばれる)。インデックスを生成する
              とき、このリストにない単語は無視する。各行には単 語
              を一つだけ指定する。

       -r, --references
              各行の前にコンテクストを指示する文字列 (行頭の単語)
              を付ける。 ptx は参照をコンテクストから削除しようと
              し、 コンテクストが改行で終わる場合にはこれは常に成
              功する。このオプションを -S と共に用いたり (これ は
              デ フォルト)、 --traditional モードを用いると、参照
              は常にコンテクストから削除される。

       -w NUMBER, --width=NUMBER
              出力行を NUMBER 桁を越えないように 切 り 捨 て る。
              --right-side-refs  の分は含まれないので注意。これを
              用いた場合は指定桁を越えることがある。

       -A, --auto-reference
              各行の前にファイル名 (標準入力から読み込んだ場合 は
              空 文字列)、行番号、コロンを出力する。 --references
              より優先する。

       -F STRING, --flac-truncation=STRING
              --width によって行を切り捨てるときや、コンテクス ト
              が 行 区切りを越えて続く場合に STRING (デフォルトは
              `\') を出力する。

              STRING 中では、(C プログラムで使うような) バック ス
              ラッ シュを用いたエスケープシーケンスの多くも認識さ
              れ、適切な文字に変換される。

       -M STRING, --macro-name=STRING
              nroff や TeX 形式で出力するときに、 STRING をマクロ
              名に使う (デフォルトは `.xx')。

       -O, --format=nroff
              出力を nroff 形式にする。印字できない文字はスペース
              に置換され、クォート文字は二重にして正しく処理で き
              るようにする。各行のフォーマットは以下の通り:

               .xx "TAIL" "BEFORE" "KEYWORD_AND_AFTER" "HEAD" "REF"

       -R, --right-side-refs
              --references と似ているが、参照を右に出力する。

       -S REGEXP, --sentence-regexp=REGEXP
              REGEXP  を行末または文末の評価に用いる。 GNU モード
              で --references オプションが指定されていない場合 の
              デフォルトは以下:

                     [.?!][]\"')}]*\\($\\|\t\\|  \\)[ \t\n]*

              --traditional  モードや、 GNU モードで --references
              オプションが指定されている場合のデフォルトは以下:

                     \n

              -F と同様、バックスラッシュを用いたシーケンス も 認
              識・変換される。

       -T, --format=tex
              出力を TeX 形式にする。印字できない文字はスペースに
              置換し、いくつかの特殊文字 (`$', `%', `&', `#', `_'
              な ど) をバックスラッシュでプロテクトする。バックス
              ラッシュは `\backslash{}' に、アクセント記号は `^\{
              }'  に、チルダは `~\{ }' に置換し、その他の音韻記号
              も可能な限り最も適切な TeX シーケンスに変換する。各
              行のフォーマットは以下の通り:

                     \xx {TAIL}{BEFORE}{KEYWORD}{AFTER}{HEAD}{REF}

       -W REGEXP, --word-regexp=REGEXP
              REGEXP   に マッ チ す る 単 語をキーワードにする。
              --break-file に指定されている単語も出力す る。  GNU
              モードでのデフォルトは:

                     \w+

              --traditional モードでのデフォルトは

                     [^ \t\n]+

              REGEXP   が空の場合はデフォルトを用いる。 -F と同じ
              く、バックスラッシュを用いたシーケンスも認識・変 換
              される。

       -C, --copyright
              標準出力に短い copyright メッセージを出力して正常終
              了する。

       --help 標準出力に使用方法のメッセージを出力して正常終了 す
              る。

       --version
              標準出力にバージョン情報を出力して正常終了する。

例
       分量が多くなるので、完全な例はここには示していない。

   プレインテキスト
       ptx   の 著者である Francois Pinard は、私の出したメールを
       ptx に通し、以下の返事を送ってくれた (*** は man ページ に
       収めるために手で行った切り捨てを示す)。

       >>    /I've had a look at the source,   and I still   ***
       >>    /or what is a permutated index,   and what it   ***

       > ptx merely produces a sorted list of the vocabulary you
       > used, with some context for each, so I can study your
       > writing style, for example.  Whenever you use the word
       > "and", it is preceded by a comma :-).

       [ptx は君の使ったボキャブラリをソートしてリストを作り、
        前後のコンテクストと共に示してくれるんだ。これを見ると、
        例えば君の書き方のクセがわかるわけさ。君が "and" って
        いう単語を使う前には必ずコンマを入れる、とかね :-)]

   bang パス
       news   へのポストや email メッセージに対して grep を行い、
       bang パスを取得してみよう。例えば:

              lightside~% grep posts "^Path: " |cut -b 7- > paths.txt

       すると paths.txt の内容は以下のようになるだろう。

              lightside!host2!host3!host4!host5!news
              lightside!host2!host3!host4!host6!news
              lightside!host7!host8!host9|host10|host4|host5!news
              lightside!host4!host5!news
              lightside!host11!news

       これに正規表現を正しくエスケープして ptx を用いてみよう。

              lightside~% ptx --sentence-regexp="\n" \
                              --word-regexp="[^\!]+."

       するとポストの経路の解析に適した出力が生成されるだろう。行
       数 が、ここに示した 5 行よりもずっと多くなると、とても便利
       になるだろう。

移植性
       --traditional を指定すると、 System V の ptx と互 換 に な
       る。 GNU ptx は行幅をよりうまく使えるのだが、この点も Sys-
       tem V の出力に時々現れる異常をまねしようと試みる。  --tra-
       ditioanl モードとの他の相違点は以下の通り:

              o 説明 にあるように、引数の取り方が変わる。

              o 指 定 で きるオプションが -b, -f, -g, -i, -o, -r,
              -t, -w だけになる。

              o デフォルトの出力形式が --format=nroff になる。

              o --width で行切り捨てを行うとき、参照の幅を考慮 し
              なくなる。

              o 8 ビット文字とチルダ (`~') をはねる。いくつかの制
              御文字もはねる。

              o 入力行の 200 文字以降を黙って切り捨てる。

              o ignore file と only file の両方を同時に指定できな
              い。

              o オ プションに記述したように、いくつかのオプション
              のデフォルトが変わる。

注意
       プログラムのバグについては bug-textutils@gnu.org に報告 し
       てください。
       man   ページは Ragnar Hojland Espinosa 
       が作成しました。

GNU textutils 2.0         15 August 1999                   PTX(1)